エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「院長から聞いたんですか?」
「院長? 院長はこのことを知っていたのか」
「今日ちょっとお話ししたときに聞かれたので……」
雅史とは別れたほうが得策だと言われたことは口にできなかった。
「単純に名字が同じなのもあるけど、楓くらいの娘がいるという話をずいぶん前に聞いたことがあったんだ。海老沢総合病院は心臓血管外科での症例数は国内一で有名だしね」
「勘の良さにびっくりです」
「そう? でもそれで、父親の決めた相手との結婚というのも納得だ」
雅史と同じ状況だとすぐに理解したらしい。
「かといってあきらめるつもりはないけど」
雅史はニッと口角を上げた。
そう言ってもらえるほどの想いと、結婚に向けての自信に勇気づけられる。
(雅史さんなら、お父さんを納得させられるかも)
同じ医師として、ともに手を携えていく道だってある。有数の病院同士、連携してさらに発展できるのではないか。