エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
うれしくて飛び上がりそうになるのを抑え、喜ぶのはまだ早いと自分を制する。
慰労会や懇親会の類の可能性だってあるから。そんな会も入職したときの歓迎会以来ないけれど。
「キミと俺のふたり」
雅史は楓と自分を順番に指してから、指を二本立てた。
ドクンと大きく心臓が音を立てる。
「そ、外で打ち合せでしょうか」
雅史があくまでも真面目顔だったため、楽しむための食事ではなく仕事の延長かとべつの可能性を探る。
たまには趣向を変える目的があるとか。なにか違ったアイデアが浮かぶかもしれないと考えた直後に、クリエイティブ系の職種ではないと思いなおす。
「手術が終わったあとに仕事の話はできれば避けたいね」
「バイタリティに溢れた神楽先生ならそれもありかと思いましたが、全神経を研ぎ澄ませたあとですものね」
雅史の申し出の意図は読めないが、なんとか平静を保っていつものように切り返す。