エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

それこそミクロン単位の血管を相手にするのだから、全身の神経を一極集中させたあと。込み入った話は避けたいだろう。


「もしかして今ので、海老沢さんの俺に対する評価を下げた?」


傷ついたように眉をハの字にするのは、ちょっとした演技だろう。その証拠に目の奥は笑っている。


「いえ、神楽先生も人間だったんだなぁと安心しました」
「一応AIロボットではないかな」
「それはよかったです」


デスクに両肘を突き、組んだ手の上に顎を乗せて涼しげな表情をする雅史に微笑み返す。


「ともかく本題。明日、一年が経過したお祝いをしよう。キミの一歳のバースデー」


心の中に花火が盛大に打ち上がる。雅史が楓のために時間をとってくれるなんて、誰が想像するだろうか。
でもそこでひとつの可能性が浮上する。


「これまでもそうしてお祝いをされてきたんですか?」
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