エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
楓はその夜、初めて雅史のマンションを訪れた。
低層の建物は周囲の住宅に溶け込むようにありながら、一歩中に足を踏み入れるとアッパークラスの色合いがとても強い。
二階層の吹き抜けのエントランスには滝をイメージした水が流れ、大理石のフロアへ吸い込まれていく。そこを抜けると中庭の緑が目の前に広がり、すぐ横に庭と一体となったラウンジがあった。
ホテルライクな生活に欠かせないコンシェルジュが常駐し、あらゆるサポートをしてくれるらしい。
雅史の部屋は玄関ホールからリビングホールまでゴージャスに大理石で繋がり、空間の奥行きを感じさせる。プライベートゾーンである寝室やバスルームなどと、パブリックゾーンのリビングなどに左右で機能的に分かれており、どの部屋も広いバルコニーに面している。
グレー系でシックにまとめられた内装も落ち着きがあってとてもいい。
「素敵なお部屋ですね」
「今夜は泊まっていったらいい」
背後から抱きしめ、雅史が耳元で囁く。
「でも着替えもなにもありませんから」
「明日の朝、マンションまで送ってくから心配はいらない。下着なら朝までに洗濯が終わる」