エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
楓だけが特別なのではなく、恒例の行事なのかもしれない。
「いや、海老沢さんが初めて」
ドキッとしたが、その言葉の意味する真実にすぐ気づいた。
「これまで一年続いた方がいらっしゃらなかったんですよね」
以前、沙月がそう愚痴を零していた。秘書が替われば、関連する人たちもその都度一から教えなくてはならず負担は大きい。
前任者たちは一年続かず、お祝いするまでもなかったのだろう。
「まぁそうだけど。……それで海老沢さんの明日の予定は?」
なんとなく気を持たせるような語尾が気になったものの、期待は禁物だと頭を切り替える。
「特にはなにもありませんが……」