エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
明日の夜に限らず、ここ一年は病院とマンションを往復する毎日。予定があるとしたら、たまに友人と食事に行く程度だ。
「じゃ決まりだな」
「でも、お祝いなんて」
医局のみんなと一緒ならいざ知らず、上司にそこまでしてもらってもいいのだろうか。
「たまには優秀な部下を労う時間をとったっていいだろう?」
雅史は一度決めたら、そうそう譲らない頑固な一面がある。だからこそ三十三歳の若さで、日本屈指の病院で脳神経外科を引っ張っていけるのかもしれない。
今回のお祝いも相応の理由がない限り多分なくなりはしないから、ここは部下として素直に応じよう。
「お忙しいのにすみません。ありがとうございます」
落ち着き払って返したが、今にも空高く飛び上がりそうなほどうれしかった。
「手術時間が延びる以外のドタキャンはナシだ」
雅史は念押ししてコーヒーを飲み干した。