エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

率直に聞かれて返答に困る。恨みを持つほどでないにしろ、やるせない気持ちになったのはたしかだ。

しかし芹菜との結婚を望んでいる慎一にしたら至極当然の判断。楓を雅史から遠ざけたいのは理解できる。


「雅史さんのサポートができないのは心苦しいです」


アメリカで働いていた経験があり、語学も堪能な雅史なら心配は無用かもしれないが、彼をそばで支えたかった。


「芹菜さんがいれば、そのあたりは大丈夫でしょう」


コミュニケーション能力に長けている彼女は、慎一にもすっかり気に入られているようだ。


「まぁ少々心配な面もありますがね」


慎一が続けた言葉に引っ掛かり、彼を見る。


「心配とおっしゃいますと……?」
「なにせお嬢様育ちですから。これまで働いた経験もないですしね」
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