エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

楓も手に取り、真ん中をくりぬいた丸いナスに箸を入れる。肉みそと一緒に頬張った。
みょうがとごまの風味がおいしい。


「お父様にはお話しましたか?」


慎一が核心部分に触れてきた。


「……はい」


いったん箸を置いて答える。
慎一の目が〝それで?〟と先を急かした。


「雅史さんとの結婚は許せないと」
「やはりそうでしょうね」
「母とお付き合いしていたのは本当なんですか?」


慎一はわずかに目を見張った。


「お父様からその話を?」
「いえ、父の妹からです」
「そうでしたか。……ええ、あなたのお母様……すみれさんとはお付き合いしていた時期がありました」


尚美の話は本当だった。
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