エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
写真はあれきり見ていないが、きっとなにかの間違い。加工した写真を送ってきたのだろうから。
信じてはいるが、否定する唇が震えているのが自分でもわかる。
「でもあれ、本物の写真ですよ? 見ますか?」
芹菜はデスクに置いていたバッグからスマートフォンを取り出した。画面を素早く操作して楓の前に突き出す。
否応にも雅史の寝姿が目に飛び込んできた。
「雅史さんに聞いてみたらいいと思います。あ、でも、素直に白状はしないですよね。逆にもしも認めたとしたら、それは海老沢さんと別れたがっている証拠になっちゃいますね」
芹菜が愛らしく微笑む。挑戦的な言葉を口にしているとは思えない顔だ。
聞いても聞かなくても、楓にとってつらい反応だと言いたいらしい。
「それに海老沢さんにもきちんとお相手がいるじゃないですか。重森さんって方も素敵ですね。お互いに収まるところに収まりませんか?」
あるべき形の結婚をすべきだと芹菜が提案する。
もちろん楓にそんなつもりはない。