エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
雅史が怪訝そうな顔つきになる。
「熱が少しあるのと、顔色もよくないです」
楓のそばにしゃがみ込み、雅史はごく自然に楓の額に手をあてた。
沙月のいる前で恥ずかしいと思ったものの、発熱のせいか体がだるくて動かない。平熱じゃないと知った途端にそうなるのだから不思議なものだ。
「ほんとだな」
雅史は沙月がしたように楓の手首を取って脈を測りはじめた。
「口開けてみて」
言われるままに開ける。
「喉は赤くないな。ほかにどこか異常を感じるところは?」
「……ありません」
一瞬〝心〟と言いそうになったが寸止めする。