エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「今日は帰りなさい」
「ですが、夕方に手術前カンファレンスが」
「資料はできてるから心配しなくていい」


上司にそう言われたら従う以外にない。体調の悪い人間が残っていたら、周りに気を使わせるのも目に見えている。


「わかりました。すみません」


雅史が楓の腕を掴んで立たせる。


「白石さん、彼女の体調不良に気づいてくれて助かった。ありがとう」
「いいえ、どういたしまして。神楽先生、海老沢さんを不安にさせちゃダメですよ」
「し、白石さんっ」


急いで制したが、沙月は肩をすくめて意味深に笑う。
当然ながら雅史はなにを指しているのかわからないようで、目を瞬かせて楓を見た。


「あ、あの、では準備をして帰ります」


先にカンファレンスルームを出て、荷物を置いている雅史の部屋に向かう。
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