エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
形ばかりの挨拶を交わし合い、カンファレンス資料の保存場所を雅史に伝えて部屋を出る。通常だったらスタッフ専用の通用口を通るが、エントランスからタクシーに乗ることにした。
雅史に気遣うように付き添われて院内を歩いていると、スタッフたちから痛い視線をひしひしと感じる。
「神楽先生、私ならひとりで大丈夫ですから仕事に戻ってください」
「そうはいかない。本当ならマンションまで送ってやりたいところだ」
何度もそうお願いするが、雅史も譲らない。
結局、四方八方から視線を浴びながらタクシーに乗り込んだ。