エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
仕事を円滑に進めるために、楓宛のメールは雅史でも確認できるようパスワードを共有しており、メールソフトを立ち上げて受信フォルダをクリックする。
ゆっくり目で辿っていく中で、見慣れないアドレスからの添付付きメールに気づいた。
楓宛にメールを送ってくる人物や病院などの機関はだいたい把握しているが、そのどれにもあてはまらない。
なんの躊躇いもなく、いつも同様にメールを開いて飛び込んできた一文に一瞬思考がかく乱される。
【海老沢さん、私、雅史さんと一夜を共にしました。芹菜より】
なにを言っているのかわからず、目が点になる。
(俺と、一夜を共に……?)
無意識に添付ファイルをクリックしたら、今度は画面いっぱいに自分の寝顔が表示された。胸元まで素肌が見え、裸を連想させる写真だ。もう一枚の写真は、ベッド脇に女性物の洋服や下着が散らばったものだった。
「ちょっと待て、なんだこれは」
しばらく呆然と画面を見つめていた雅史だったが、その写真を閉じてメールに戻る。受信日時は雅史がアメリカに出張していたときだ。
(もしかしてあのときか……)