エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

なによりも楓を傷つけたのが許せない。

血が逆流して激しい感情が膨れ上がり、今にも爆発しそうになるのを必死に抑える。今すぐ芹菜を問い詰めたいのはやまやまだが、このあとのカンファレンスの開始時刻をずらすわけにはいかない。

雅史は自分のデスクに置かれた電話の受話器を持ち上げ、〝1001〟をプッシュした。


「雅史です」


相手は院長である。


「お忙しいところ申し訳ありませんが、二時間後お時間をとっていただけませんか」
《二時間後? ……いいでしょう》


慎一の了承をとり、受話器を置く。

何度も大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせる。そうでもしなければ今すぐそのドアを開けて芹菜を呼びつけ、つるし上げてしまいそうだった。
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