エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
約一時間後、地下駐車場に止められた雅史の車のそばで待機していると、それほど待たずに彼がやってきた。
「お待たせ」
「いえ、私も今来たばかりです。本当にお疲れ様でした」
「海老沢さんもお疲れ様。乗って」
ドアロックを解除した音がしたため、遠慮なく助手席側に回り込んで乗り込む。車はスムーズに発進し、スロープを回って地上へ出た。
陽が落ち、ネオンが煌めく街を快調に進む。
「久保さん、無事に目を覚ましたよ。容態は安定してる」
「そうですか。見事な執刀だったと聞きました」
帰るときにたまたますれ違った手術室の看護師長の言葉である。
「俺ひとりの手柄じゃない。チームあってこその医療だ」
「謙虚なところも女性のハートをくすぐるんでしょうね」
有能な医師なのは間違いないのに、〝俺、すごいだろ?〟と自慢しないのがいい。
「海老沢さんのハートをくすぐるのも成功した?」
「危うく大爆笑するところでした」
「そういう意味じゃないんだけど」
雅史はクスッと笑った。