エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「芹菜さんも一緒だったんですか。いよいよ覚悟ができた話なら大歓迎ですよ」
慎一も芹菜同様に誤解しているようだ。穏やかに微笑んだ目尻に皺が滲む。
覚悟を決めるべきなのは芹菜のほうだが。
「院長、今回の石川さんとの結婚ですが、謹んでお断りさせていただきます」
「今さらなにを言うつもりなんでしょうね」
「そうですよ、雅史さん!」
軽くいなす慎一に芹菜も乗っかる。
「院長は、本当に彼女が私の妻にふさわしいとお考えですか?」
慎一はいったん開きかけた口を閉じ、唇を引き結んだ。本音では彼自身もふさわしいとは考えていないに違いない。
「こちらをご覧ください」
雅史は持ってきたノートパソコンをテーブルで開き、向かいに座る慎一に画面を見せた。そこには、芹菜が楓に送ったメールと写真が表示されている。