エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
楓の言葉を軽く受け流してしまったのか。脳神経外科の医師でありながら、自分の父親の体調不良を見過ごすなんてありえない。
雅史は苛立ちから自分の腿を拳で殴り、ナースステーションに声をかけた。
「院長室へ大至急ストレッチャーを!」
呆気にとられた看護師たちに「院長が倒れた」と続けると、驚きの声とともに彼らが機敏に動きだす。
雅史は看護師やその場にいた医師を先導して院長室へ戻った。