エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
雅史は白衣のポケットからスマートフォンを取り出した。静香のナンバーをリダイヤルしようとタップしかけたそのとき――。
病室のドアが開き、利臣が現れた。その後ろに静香を連れて。
「母さん……」
思わずぽつりと呟いた。
ショートヘアをきちんと整え、しっかりとメイクもした美しい顔だが、目元にはクマができている。もしかしたら昨夜は寝ていないのかもしれない。
病室に入るべきかどうか迷っている静香の背中を利臣が押す。
「ほら、中に入って」
静香の表情には戸惑いが見て取れたが、雅史は立ち上がってドアまで行き、静香の肩を抱いてベッドサイドに誘った。
「……遅くなってごめんなさい、あなた。私がここへ来ていいものか迷って……」
椅子に座った静香は俯いたままだ。