エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
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午前九時を過ぎても、雅史は部屋に顔を出さなかった。診察時間になったため、院長の病室から直接診察室に向かったのだろう。
急きょ夜勤になったうえ、続けざまに診察がある雅史の体が心配になる。
「今日は午後に大事な用件は入っていないから、診察が終わったら帰ってもらおう」
立ち上げたパソコンでスケジュールを確認し、ひとり言を呟いた。
(あれ? そういえば……)
出勤時間はとっくに回っているのに芹菜の姿がないと、ふと気づく。
(今日は休みなのかな)
仕事はさておき時間にルーズなタイプではないため、急きょ休みになったのかもしれない。
しかし念のためにナースステーションに問い合わせても、そのような連絡は入っていないという。
もしかして通勤途中で事故にでも遭ったのではないか。楓を押しのけてまで雅史のアメリカ出張についていった彼女が、なんの連絡もなしに休むとは考えられない。