エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
雅史を奪い合うような形になっている相手とはいえ放っておくわけにもいかず、楓はスマートフォンを取り出し、万一のために控えておいた彼女の連絡先に電話をかけた。
ところが何度かけても一向に出る気配はなく、留守番電話に切り替わってしまう。メッセージを残すのは躊躇われて、その都度切った。
定型業務をこなしながら合間をみて芹菜に電話をかけつつ、お昼の時間となる。午後一時を過ぎ、ようやく雅史が戻ってきた。
「お疲れ様です。昨日はすみませんでした」
立ち上がって迎えた彼は、やはり少し疲れた顔だ。
「楓」
雅史は名前を呼ぶなり楓を抱きしめた。
「せんせ――」
職場のため、やんわり引き離そうとしたが、かえって強く腕が巻かれる。
「少しでいいから充電させてくれ」