エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
二十四時間以上働き通しの彼にそう言われたら、嫌だとは言えない。こんなことで雅史が英気を養えるのならお安い御用だ。
「お疲れですよね」
「かなりね。でも楓に触れて匂いを嗅いだらだいぶ生き返った」
首筋に顔を近づけ、雅史が軽く唇で触れる。
「それじゃ今度、私の匂い袋でも作りましょうか」
「いいね。それがあれば百人力、いや千人力でも足りないな、万人力?」
「頼もしい匂いですね」
「楓がいれば、俺はそれだけでいい」
仕事中だというのに、耳元で囁く声が情欲にまみれて甘い。
しかしここは職場、それに流されるわけにはいかないと、雅史の胸を押して体を離し、話題を切り替える。
「院長のご容態は?」
「経過は良好だ」
沙月からもそう聞いているが、そばにいた雅史本人の言葉はより安心感がある。