エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「よかったです。さすが神楽先生ですね」
「まあねと言いたいところだが、処置が早かったのがなによりだ」
雅史がすぐに対応できたのは不幸中の幸いだ。
「ところで石川さんなんですけど、今日出勤してなくて……。なにか連絡はありましたか?」
病院にはなくても、雅史には直接いっているかもしれない。
「そうか、来てないのか。まぁそうだろうな」
雅史は気にも留めず、軽く流した。
なにかあったのかとその目を探るが、楓にはなにも見つけられない。
お嬢様の気まぐれで秘書業務に飽きたのだろうか。それとも、楓の悪評を院内に流して気が済んだのだろうか。
「いろいろ報告があるから、今夜ゆっくり話そう」
「……報告、ですか?」
楓にとってマイナスなものではないかと身構えて体に力が入る。