エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
芹菜との結婚は避けられないと言われるのではないか。アメリカの一夜もなにか関連しているのではないか。
彼女が出勤していないのはそのせいかもしれないと、嫌でも不安を煽られる。
雅史の表情は深刻そうに見えないが、たしかめるのも怖かった。
「俺のマンションで待ってる」
雅史は最後にぎゅっと強く腕に力を込めてから楓を解放した。
「じゃ、今日は先に帰るから」
「お疲れ様でした」
長丁場の勤務を終えた顔には、さすがに疲れが滲んでいる。今、なんの報告かたしかめるのは楓の恐怖以前に、酷だろう。早く休ませてあげたい。
雅史は手をひらりと振って部屋を出ていった。