エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「うちの病院ですか?」
入院しているのだとしたら海老沢総合病院だろうと焦って尋ねる。
「いや、自宅で療養してる」
「自宅で?」
だとすれば、それほど深刻な容態ではないのか。
「キミのお父様は、楓には連絡しなくていいと言っていたんだけど、そうはいかないだろうと思って俺がしゃしゃり出たわけ」
このところ楓絡みの心労があったから、その疲れが出たのかもしれない。楓に連絡しなくていいと芳郎が言ったのは、原因を作った楓の顔を見たくなかったからなのではないか。
「車で来てるから送っていく」
「でも」
英太に腕を掴まれたが、足を踏ん張った。
「父親が体調不良で寝込んでいるのに顔くらい出さないでどうする」
「……私には会いたくないかもしれません」