エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
実家へ来て、早くも一週間が過ぎていった。
芳郎の体調は徐々に戻りつつあり、誠也の見込みではあと数日もすれば仕事に復帰できるだろうという。
ここへ来た最初の夜、目を覚ました芳郎は楓を見て相当驚いた様子だった。英太の言葉には反するが、知らせるつもりはまったくなかったようだ。
体調が芳しくないせいか雅史や英太の話題にはならず、この一週間は他愛のないおしゃべりだけなのは楓も助かった。何度か芳郎がその話題に触れそうな気配はあったが、口を開きかけては噤んでいた。
「一週間、神楽雅史と離れて、少しは気持ちの整理もできたんじゃないか?」
意味をはかりかねる言葉を投げかけたのは、連日のように訪れる英太だった。
「……どういう意味?」
夕食の後片づけをしていた家政婦の手伝いを終え、リビングにいる英太にコーヒーを出したタイミングだ。
「恋人同士なんて、会わずに離れていれば心も同様に離れていくものだから」
「それは相手によると思います」