エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「そうだな、都合よくホテルにいるし、部屋に連れ込んでもいいね」
「スイートルームなら考えます」
「それならお安い御用だ」
「さすが神楽先生ですね。気前がいい」
「任せておけ。よし、交渉成立だ」


ポンポンと小気味よく返し、めでたく合意に至ったところで互いにふっと噴き出す。楽しいやり取りを終えたちょうどいいタイミングでアミューズが運ばれてきた。

ブロッコリーのキッシュやカモのスモークなどが彩りよく盛り合わせられていて、目でも楽しめる。フォークに乗せて早速口に運んだ。


「おいしい。上品なお味ですね」


さすがラグジュアリーなホテルにある高級フレンチ、味わい深い。特にカモのスモークはワインが進んで危険だ。


「気に入ってもらえてよかったよ」


ふわりと笑った雅史がいつになく眩しくて、思わず目を逸らす。職場から離れたせいか、普段の緊張感走る真剣な表情とのギャップにはからずもドキッとした。
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