エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
「楓は俺に会いたくなかったのか。重森英太のほうがよくなったのか」
「まさか! そんなわけないじゃないですか」
雅史の胸を押しやったそのとき、リビングのドアが開いたため、とっさに彼と距離を取る。
「……お父さん」
入ってきたのは芳郎だった。
「起き上がって平気なの?」
「大丈夫だ」
手には楓が昨夜渡した日記を携えていた。今朝まで読んでいたのだろうか、目が赤い。
芳郎の視線が楓から雅史に移る。
「はじめまして、神楽雅史と申します。突然お邪魔し、大変申し訳ありません」
両手を両脇に揃え、雅史が深く頭を下げる。
「キミが神楽慎一の息子か……」