エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
ここで激しいやり取りがあったら体にも障るし大変だと、楓は芳郎を宥めるつもりで慌ててそばに寄った。
「あのね、お父さん」
ところが予想に反し、芳郎が楓の腕を穏やかな表情で撫でる。
「心配するな、楓」
芳郎は小さくそう言ってから、雅史にソファに座るよう勧め、自分も深く腰を下ろした。
楓も芳郎の隣に座る。
「雅史くん、こんな格好なのは許してくれたまえ」
自分のパジャマ姿の詫びを入れ、芳郎は軽く目線を下げた。
好戦的な態度になるかと心配したが、思いのほかやわらかい物言いだ。
「いえ、こちらこそ体調を崩されているなか失礼を承知のうえで朝早く訪問し、本当に申し訳ありません」