エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
そのときの彼の顔を思い出して、つい笑みが零れた。
「笑っちゃうほどショコラがおいしい?」
雅史に気づかれ、目を細めて首を横に振る。
「神楽先生と初めて会ったときのことを思い出していました」
「俺と初めて会ったとき? 笑うような思い出なんかあった?」
「先生の印象、あまり良くなかったなって」
勢いで素直に白状する。そんな暴露話はお初だ。
「ドストレートに貶めるね」
雅史が困ったように笑う。
「ほんとですね。すみません」
上司を相手にして口が過ぎたため、肩をすくめて謝った。
「でも、仏頂面で『秘書は必要ない』って一刀両断されて」
「それは悪かった。今さらかもしれないけど謝るよ」