エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
政略的な結婚は楓同様、避けて通れない道だろう。
楓も父親からせっつかれ、今まさに同じ状態。それも心は雅史に捕らわれたまま、まったく違う人との結婚を進めなければならない。
楓はパソコンの前にストンと腰を下ろし、昨夜やりかけた論文の翻訳をはじめた。
こういうときに無心になって取り掛かれるものがあるのは助かる。雅史の結婚話と昨夜の過ちなど多くの雑念を振り払い、楓は一心にパソコンに向かった。