エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない
少しでも隙を与えたら、あの夜の話になりそうな気がしたため、すぐにメールの件を切りだす。
「ジェファーソン州立病院のスチュワート先生からのメールです」
「スチュワート先生から?」
プリントアウトしたメールを目の前に差し出すと、手に取った雅史が目を落とす。
「学会へのお誘いか」
「はい。スケジュール的には問題ありません。出席のお返事をお出ししましょうか」
「そうだね。先生にも久しぶりに会えるし、優秀な医師や研究者が集まる場はいい刺激にもなる」
「承知いたしました。では早速」
楓が椅子に座ってキーボードを打ちはじめると、雅史はモニターを覗き込んだ。
「海老沢さんの名前も伝えておいて」
手を止め、彼を見上げる。
「私も、ですか?」
「秘書なら同行するのは当然だろう」