俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
正直に言えば、観光はとても魅力的な話だった。日本ではほとんど見たことのないような壮観な風景や圧倒される建物をこの目でしっかりと味わいたい。
けれど早急にこのヴェネツィアへと連れてこられたせいで、事前情報などほとんど調べることが出来ていなかった。それに、言語に関してもイタリア語など『ボンジョルノ』や『グラッツェ』、『チャオ』くらいしか知らない。
撮影もあって自由な時間が取れるのかどうかも分からなかったし、そもそも日本人の私が一人で街を観光するなど勇気が持てずにいたのだ。
玲二に連れてこられたのはとあるゴンドラの前だった。
そこにはボーダーシャツをきた男性が待機しており、私たちに笑顔で話しかけてくる。思わず隣に立つ玲二に顔を向けると「乗るぞ」と端的に答えて腕を引かれた。