俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 自分の気持ちに困惑しつつ、ちらりと横目で玲二に視線を送れば。

「……なんだ、変な顔して。少しくらいいいだろ?」

 どこか拗ねたように口を尖らせる。
 その表情は年上の男性であるのにもどこか幼く思えてしまって。私はふわりと顔を綻ばせた。

 おそらく私の顔は赤くなっているだろう。照れる気持ちもあれど、いつもとは異なる環境に感化されてか素直でいたいと思った。

「……玲二さん。今日は…………いえ、今まで色々とありがとうございます。あなたに出会えて……よかった、と思います」

「な、なんだ突然……」

 私の言葉に動揺してか、僅かに頬が紅潮していた。

 玲二と再開して、様座なことが変化していった。目まぐるしい日々に疲弊しつつも、それ以上に有意義なときを過ごすことが出来た。

 劇団を助けたくれたことに加え、仕事や事務所まで斡旋してくれたことに引け目を感じる心もある。私なんかがここまで幸せでいいのか、親の七光りを利用しているということに罪悪感すら覚える。

 けれどそれを差し引いても私は幸せだった。この選択に悔いはないと今この時この瞬間、胸を張っていえる。
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