俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 整った相貌はいつにも増して疲れているのが目に見えて分かる。目の下が若干黒ずんでおり、クマが出来ていた。ただ、それを抜きにしても精悍な顔立ちで、眉目秀麗と言われるのも納得が出来る。

 見すぎていたのか、玲二が身じろぎをする。不測の事態に慌てた私はうっかり尻餅をつく。

「………ったぁ」

 激しく臀部を打ち顔を歪めていると、床とぶつかった音で目を覚ましたのか玲二が朧げに視線を向けていた。

「……なにしてんだ?」

 冷静な指摘に目を逸らすことしか出来なかった。
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