俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 前菜から運ばれ、俺たちはほとんど会話することもないまま料理を口にしていた。話したことといえば。

『……結局呼んだ理由は教えてくれないんですね』

『……ただ俺が暇だったからだ。あと、せっかくのフレンチを一人で食べるのは味気ないだろ?』

『それなら恋人の一人や二人、呼べばいいじゃないですか。あなたにはたくさんそういう人がいるみたいですし。………なんで私なのかな』

 こはるの後半に呟いたぼやきが耳に届き、俺は思わず意地の悪い微笑みを浮かべる。

『女にモテるのって結構大変なんだ。相手にするのも結構面倒だし、お前相手なら気を遣わなくて済むからな』
 
 本心ではなかったが、反射的に口走っていた。
 俺たちはそんな会話をしつつ、食事を終えた。そしてそのままこはるを車で自宅へ送る帰り道。その日は運転手ではなく、俺が運転していた。久しぶりにハンドルを握りたいというのもあったし、なんとなくこはると二人きりで話をしようと思ったからだ。
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