俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

『お前さ、高校卒業したらどうすんだ?』

『いきなりなんですか……』

『いいから答えろよ』

 どこか迷った様な声色のこはるに問い詰める。そういえば、いまさらながら俺はこはるのプライベートのことをほとんど知らない。

 学校に通っていることは分かっているが、そこでどんなふうに過ごしているのか、何を学んでいるのかを詳しく聞いたことはなかった。

 それもそうだ。
 いつも会うあの場には互いの母親もいる。こはるの話題が出ることもあったが、彼女自身あまり母親にも自分のことを話していない様子だった。
 花宮いつきとは側から見てもどこか他人の様な距離感を感じさせていた。大方、忙しい母親とコミュニケーションがうまく取れていないのだろう。
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