俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
心臓が嫌な音を立て始める。
腹立たしかった。
何故拒絶するのか、意味がわからない。
俺は苛立ち紛れに鼻で笑い、言葉を紡ぐ。
『……俺相手に話せない様なことでもするのか? 何故話さない、話せよ』
語彙が強かったことは認める。
それでも突如拒絶された苛立ちを抑え切ることはできなかったのだ。
こはるはそれでも引かなかった。
先ほど以上に強い拒絶を含んだ声で言う。
『…………私、あなたのそう言うところ嫌いです。自分勝手で人の気持ちなんて顧みないところ』
『……なんだと?』
『もう私に構わないでください。話しかけられるのもうんざりする。……私が世界で一番嫌いな人種、なんだか分かりますか? 女性にだらしなくて、人を大切にできない人です。あなたが女性を泣かした上に酷い言葉を投げかけるの見てから、私の中であなたは関わりたくない人になったんですよ』