俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 玲二はそう言いながらも、けして嫌味の感情が伴っていない口ぶりで。傲慢でありながらも甘みを含んだ言葉に蕩けてしまう。

 玲二の胸に埋めていた顔を上げると、彼は私の顎を指先で持ち上げる。視線がかち合い、その瞬間、時がいつにも増してゆっくりと流れているようでーー。

 玲二の親指が私の唇をなぞり上げた途端、ぞくりと背中に電流が走る。甘い空気に飲まれるかのように、頭がぼーっとしてきた。

 そして自然と引き寄せられるかのようにーー互いの唇を合わせていた。触れるだけのキスであっても、繋がってそこからは熱い何かが流れ込んでくるような気がして。体温が一気に上昇する。

 だが、そのとき。

「おーい、花宮。着替え終わった…………か」

 甘い空気が一瞬にして崩れ去っていった。
< 180 / 291 >

この作品をシェア

pagetop