俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 声の主は顔を見ずともわかる。
 先ほどまでは熱に浮かされていた身体は一気に冷め、先ほどとは異なる意味で心臓がばくばくと音を立てた。

「…………遠藤、くん…………」

 ーー人に見られた。

 気まずさに顔を強張らせてしまうのは仕方がないことだろう。事務所を経営する一族の御曹司との密会を元カレに見られるというのはなんと居心地の悪いことなのだろうか。

 勢い余って玲二に甘えてしまったことに反省をしつつ、私は遠藤へ向き直ろうとするのだが。

「ちょ、ちょっと玲二さん……一旦離してください」

「駄目だ。お前から抱きついて来たんだろ? 責任とってもう少しこのままでいろ」

「なっ、子供のような真似しないでください。人前ですよ……」

「ガキでいいって言ったのはお前のくせに」

 拗ねたような顔でそっぽを向く玲二を無理矢理引き離し、いまだ固まり続けている遠藤に話しかけた。
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