俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 撮影後、私は一目散に遠藤の元へ駆け寄った。そして戸惑いながらも問いかける。

「な、何も相談なしに何であんなこと……」

「監督たちもお気に召してたんだからいいでしょ? だから怒るなよ」

「そういう意味じゃなくて……」

 あのキスシーンは本来もっと学生らしく唇を触れ合わせるだけだったはずなのに。奪うようなキスに当然もう一度取り直すのかと思っていたが、なんとそのままOKとなってしまった。

 どうやら遠藤の言う通り監督に加え、プロデューサー、さらには脚本家までもがこっちの方がいいと絶賛したのだ。
 確かに遠藤の演技は真に迫っており、思わず圧倒されそうになるほどで。

「なんで突然あんなこと……」

 私の問いに遠藤はスッと目を細めた。普段の柔和な笑顔から一変、真面目な顔つきで言葉を放つ。
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