俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

『もしもし、花宮こはるさんのお電話番号でお待ちがございませんか? 先日オーディション結果のご報告でお電話させて頂いたのですが……』

「はいっ、ま、間違いないです。それで……」

『大変申し訳ございませんが、当オーディションの配役は別の方に決定致しましたのでご連絡させて頂きました。この度はーー』

 励ましの言葉を聞き流し、お礼を伝える。そしてそのまま通話を切った。
 思わずため息が溢れそうになるが、目前の玲二の存在に気がつき表情を崩さないようにと自戒する。

 けれどそんな私の虚勢などばればれのようで、玲二は不適な笑みをこぼした。
< 22 / 291 >

この作品をシェア

pagetop