俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「オーディション、ダメだっだろ?」

「そ、れは……」

「お前の劇団の団長がせっかくもぎ取ってくれたオーディション。メールじゃなく電話で不合格の通達ってことは最終審査までは漕ぎ着けたが、やっぱり別のやつが選ばれたってことだな。大方、バックが強い大手事務所の女優が選ばれたんだろう。……お前もわかってるはずだよな? あんなチンケな劇団なんかじゃお前の才能を見てもらうことすら出来ねぇって」

 玲二の最もな言葉に対し、沈黙を貫く。

 私だって分かっていた。
 女優として第一線で活躍するには事務所の力がなければならないのだと。事務所のバックアップがあってこその女優だということを。
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