俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

「こはるか? 今からそっちに行く。場所は劇団か?」

『え? どうしてそれを……。はい、今は劇団にいますが』

「30分以内にそっちに行く。大人しく待ってろ」
 
 こはるの返事を聞く前に俺は電話を切る。戸惑うような様子が伝わってきていたが、それよりもはやくこはるの元へ駆けて顔を見たい。

 こんな清々しい気持ちになったのは数日ぶりだった。

 あの日ーーこはると遠藤の口付け場面を目撃してからというものの、ずっと心にわだかまりがあった。それは焦燥や絶望、憤怒など様々な負の感情ばかりが寄り集まって出来たものだった。

 けれど遠藤と直接話をしたところで、気がついた。俺は誰の話も聞かず、ただ自分の心に巣食う恐怖から逃れるために殻にこもっていただけなのだと。
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