俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

 そんなノリでもぎ取った時間であった。
 ちなみに撮影現場にある鍵付きの会議室を開けてもらい、人が立ち入らない空間で話そうと提案したので今はほかに誰もいない。

 しんと静まる会議室のなかで最初に沈黙を破ったのは私だった。

「遠藤くん、この前は玲二さんが迷惑かけてごめんなさい。口が悪いし気を悪くしたかもしれないけど……」

「別に気にしてないぞ。ああいう勘違いされるのは仕方ないシチュエーションだったし、むしろ俺の方が本当に申し訳ないことをしたって思ってる。……無理にキスしたせいでこんなことになって」

「ううん。これは必要なことだったと今は思ってる。……だってこの件がなかったら、私と玲二さんの関係は変わらないままだったし」

 自分の中の気持ちを見つめ直すこともできた。そして玲二と気持ちが繋がりあったことは最大の収穫だった。遠藤とのことがなければ、ずっと仮面夫婦を続けていた可能性だってある。……あの関係はある意味では居心地が良すぎたのだ。
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