俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
「おい、頭を上げろ」
その言葉にゆっくりと顔を上げた。
鼻を擦りながら、ゆったりとシートに身を預けている玲二はどこか気まずそうに見えた。目を瞬きながら様子を観察すると、黒髪の隙間から見えた耳がわずかに紅潮しているのが分かる。
「あのーー」
「それ以上何もいうな。俺とお前は互いの利益のためにやってるんだ。劇団の援助のための資金なんて俺にとっちゃ大したことない。それに、これからお前は『ルナトーン』のモデルになってトップ女優になる予定なんだ。そこで金は帰ってくるから気にするのもお門違いだと分かれ」
一息に言った玲二の様子はまるで照れ隠しをしているようで。
俺様で横柄な彼にも可愛いところがあるのだと分かり、くすりと笑いが込み上げてきた。