幼なじみマリアージュ～偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました～

私が坂上チーフの隣に座り直した。
水瀬機長は祐斗の隣に座った。

「…何飲みます？水瀬先輩」

「ウーロン茶で…」

「分かりました」

祐斗が水瀬先輩のオーダーを通した。

「ウーロン茶か…相変わらずストイックね…」

「…俺は何百人もの乗客の命を預かっているからな…」

「機長に昇進して、酒も絶ったと訊いていたけど…」
坂上チーフは頬杖を付き、目の前の水瀬機長を呆れた様子で見ていた。

「その上、葵さんと莉緒ちゃんは宇佐美社長に奪われたワケだし…水瀬の今の楽しみは何？」

「今の楽しみは最近買った多肉植物のお世話だな」

「多肉植物って…海岸や乾燥地帯に生息する植物で水やりはほとんどいらないでしょ？」

「そうなのか！？草壁」

「もしかして…毎日水あげてます？」

「まぁー・・・」