社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
忘れた頃にたまぁーに顔を合わせる程度のお兄さんだったけれど、くるみの記憶の中の香澄は実篤のような強面な面差しではなく、ごくごく一般的な顔立ちの――よく言えば無難、悪く言えば特徴のない顔立ちをしたモブ顔の人だった。
その香澄と、実篤は気が合ったのか、はたまた帰る方向が被っていたからか、塾後なんかはよく二人でつるんでいたらしい。
何度か香澄に連れられてパン屋の奥の居住空間まで実篤が入ってきたことがある。
自分のことで手一杯で、くるみが同じ空間にいても殆ど空気のように扱っていた香澄と違い、実篤は部屋の片隅、一人黙々とお絵描きしていたくるみにも気さくに話しかけてくれた。
幼かったくるみには、『めちゃめちゃカッコいいお兄さん』が時々遊んでくれたり勉強を見てくれたりしたと言う曖昧な記憶しか残っていないけれど、八雲に言わせるとそれが若かりし頃?の実篤だったらしい。
下に五つ離れた弟・八雲のみならず、七つ下の鏡花という妹を持っていた実篤にとって、鏡花と同い年のくるみは、単に面倒を見るべき対象だっただけかも知れない。
その香澄と、実篤は気が合ったのか、はたまた帰る方向が被っていたからか、塾後なんかはよく二人でつるんでいたらしい。
何度か香澄に連れられてパン屋の奥の居住空間まで実篤が入ってきたことがある。
自分のことで手一杯で、くるみが同じ空間にいても殆ど空気のように扱っていた香澄と違い、実篤は部屋の片隅、一人黙々とお絵描きしていたくるみにも気さくに話しかけてくれた。
幼かったくるみには、『めちゃめちゃカッコいいお兄さん』が時々遊んでくれたり勉強を見てくれたりしたと言う曖昧な記憶しか残っていないけれど、八雲に言わせるとそれが若かりし頃?の実篤だったらしい。
下に五つ離れた弟・八雲のみならず、七つ下の鏡花という妹を持っていた実篤にとって、鏡花と同い年のくるみは、単に面倒を見るべき対象だっただけかも知れない。