社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
移動パン屋である『くるみの木』で売るには、やはり生クリーム入りは傷みの観点からも向かない気がして。
(――としたらやっぱり純粋にブリオッシュとして美味しく食べられるんを焼くのが正解よね? イタリア版を参考に生地にオレンジピールやらを練り込むんもありじゃろうか)
*
「なぁ木下。何をそんなに難しい顔しちょるん?」
マリトッツォを――というよりブリオッシュを口に入れては味を確認しながら生地の状態を矯めつ眇めつしていたら、横合いから急に声を掛けられて、ビクッと肩が跳ねてしまった。
危うく手にしたマリトッツォを落っことしてしまいそうになったくるみは、心臓をバクバクさせながら声のした方を見て――。
「イヤッ」
思わず心の声が外に漏れてしまった。
「うわっ、何その反応。さすがに傷付くんじゃけど」
そこに立っていたのは、くるみが今回の同窓会で絶対に関わりたくなかった相手。
「鬼塚くん……」
だったから。
「だって会いとぉなかったんじゃもん」
ポツンと思ったままを口にしたら、鬼塚がクスッと笑って。
「相変わらず木下は僕には怖いぐらい塩対応なんじゃね」
と吐息を落とされた。
(――としたらやっぱり純粋にブリオッシュとして美味しく食べられるんを焼くのが正解よね? イタリア版を参考に生地にオレンジピールやらを練り込むんもありじゃろうか)
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「なぁ木下。何をそんなに難しい顔しちょるん?」
マリトッツォを――というよりブリオッシュを口に入れては味を確認しながら生地の状態を矯めつ眇めつしていたら、横合いから急に声を掛けられて、ビクッと肩が跳ねてしまった。
危うく手にしたマリトッツォを落っことしてしまいそうになったくるみは、心臓をバクバクさせながら声のした方を見て――。
「イヤッ」
思わず心の声が外に漏れてしまった。
「うわっ、何その反応。さすがに傷付くんじゃけど」
そこに立っていたのは、くるみが今回の同窓会で絶対に関わりたくなかった相手。
「鬼塚くん……」
だったから。
「だって会いとぉなかったんじゃもん」
ポツンと思ったままを口にしたら、鬼塚がクスッと笑って。
「相変わらず木下は僕には怖いぐらい塩対応なんじゃね」
と吐息を落とされた。