至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
抑揚なくそう零した静日くんが、彼に向かって、なにかを無造作に投げやった。
ひらりと床に着地したそれは、見覚えがある……。
そう、――学生証、だ。
拾った彼の顔が、みるみるうちに真っ青になっていく。
「も、申し訳ありません! まさか、京様だとは知らず、失礼なことを……っ」
「つまりお前は、相手が俺じゃなければ失礼なことも平気でやる人間だと」
「っ、」
「今回は特別にお前の“素敵”な考えに準じて解決させてやる。今日付けでこの学園を去れ」
「え? し、しかし」
「もちろん謀った女子生徒もろともだ。お前たちより“格上”である京家の息子の言うことが聞けないか?」
「…………」
「階級の低い者を権力で脅し従わせる。これはお前たちがすばるにしたことと同じだ。身をもって知れ」
ひたすら謝り倒していた彼らも、やがて諦めたようにがっくりとうなだれてしまった。
「湊ー、こいつら外やって」
すると、倒れた扉の奥からひょい、と姿を現した朱雀院様。
連行されていく彼らを見送りながら
「京の名前も、こんな時くらいは役に立つか」
静日くんがひとり言のようにそう呟いた。