一夜限りのはずだったのに実は愛されてました
松下さんは一度家に帰り、自分の荷物をまとめ私の部屋に簡易的に引っ越してきた。

まさか、今日の今日、こんなことになるなんて思いもしなかった。

「紗夜、ご飯食べられる?何か作ろうか?」

「いえ。食欲ないので松下さんだけ食べてください」

「なぁ紗夜。俺ら結婚するんだし、松下さんは終わりにしよう。拓巳って呼んで」

「え?」

「だから拓巳だって」

私が松下さんのことを拓巳って呼ぶの?
まさかの提案にビックリした。
でも松下さんは今、呼べと言っているようだ。

「た、た、た、た……」

私は顔が火照ってくるのが分かった。
男の人を名前で呼ぶなんて今までしたことない。
松下さんは期待顔で私の顔を見ながら待っている。

「た、拓巳さん」

やっと呼べた私の頭をぐちゃぐちゃに撫で回した。

「松下さん!」

「やっと拓巳って呼んでくれたのにもう松下さんなの?さーやー」

「た、拓巳さん。よかったらお風呂入ってきてください。今準備しますから」

私が立ちあがろうとすると拓巳さんは私の肩を押さえるとかわりに立ち上がった。

「そういうことをするために俺がいるんだ。紗夜は待ってて。俺が準備してくるから」

そういうとバスルームへいってしまった。
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